Tutorial 3.1

ボーンの割り当て

はじめに

Anime Studioのボーン機能とは、多量のポイントを個別に操作するのではなく、それらをひとまとめに操作する高レベルの操作オブジェクトです。 ボーンがポイントを制御するためには、それぞれのポイントがボーンに割り当てられている必要があります。オブジェクトをボーンに割り当てるには三種類の方法があります。自動割り当て、手動割り当て、レイヤー割り当てです。このチュートリアルでは、それぞれの違いを学びます。

サンプルファイルの読み込み

このチュートリアルを始める前に、アートワークを含んだプロジェクトを読み込んでください。それは"Tutorials/3 - Bones"フォルダに"Tutorial 3.1"と名づけられて保存されています。 プロジェクトを開くと、以下のように表示されます。

ここからチュートリアルを始めます

自動割り当て

ボーンへの割り当てで最も一般的なのは、ボーンを自動に割り当てする方法です。 Anime Studioで作成したアートワーク(もしくはイメージレイヤーに読み込んだ画像イメージ)は、いつでもボーンに自動割り当てすることができます。あなたがする作業は、ただボーンを配置するだけです。

レイヤーウィンドウの 新規レイヤーボタン でボーンレイヤーを作成して、"Arm Bones"と名づけます。"Arm"レイヤーをドラッグ&ドロップして、"Arm Bones"レイヤーの下層に配置してください。

ボーンレイヤーにArmレイヤーを割り当てる

ボーンを追加

"Arm Bones"レイヤーが選択されていることを確認して、 ボーンを追加 ツールで肩から肘にかけて一本、肘から甲にかけて一本、都合二本のボーンを追加してください。


二本のボーンを作成

ボーンの操作

次にボーンが自動割り当てされたか確認するため、ボーンの操作 ツールを使用してください。ボーンに連動して腕が自動的に動くことがわかります。


ボーンを動かしてみる

この腕のセットは、ほとんど問題なく動作します。しかしここで、もう少し細かく調整することにしましょう。 "Arm Bones"レイヤーをダブルクリックして、レイヤープロパティを表示してください。ボーンタブをクリックし、割り当てモードを"リージョン割り当て"に変更してOKボタンをクリックします。

リージョン割り当てに設定

フレキシブル割り当て(新しいボーンを作成したときのデフォルト)では、すべてのボーンはベクターレイヤー上にある全てのポイントに若干の影響を及ぼします。ポイントがボーンから離れるほど、その影響は小さくなります。この設定では、影響範囲から離れるに従って、まるでゴムのような動きをするのが特徴です。

リージョン割り当てでは、すべてのボーンは影響範囲がはっきりした影響半径を持ちます。このモードでは、影響範囲から外れたポイントには影響を及ぼさないので、キッチリした動きを設定できますが、その反面少し余分の調整が必要となります。

ボーンの影響範囲

ボーンの影響範囲 ツールを選択して下さい。ボーンの影響範囲によってオーバーラップされた領域が、ボーンに制御される領域です。もしポイントが影響範囲にない場合には、そのポイントは一番近いボーンによって制御されます。 ボーンの影響範囲ツールで最適な影響範囲を設定してください。ボーンの影響範囲がポイントを包み込むようにするのがコツです。

影響範囲の変更

どうしても影響範囲に入らないポイントについては心配しないでください。それらは一番近いボーンに従って動くようになります。

ボーンの操作

ボーンの操作 ツールでボーンの動きを試験してください。最初と違ってカッチリした動きをしていることがわかります。


手動割り当て

手動でポイントをボーンに割り当てる方法は、Anime Studioの旧バージョンとの互換のための機能です。 Anime Studioでは自動割り当てのほうが簡単ですが、正確に制御したい場合は、この方法を取るのも一考かも知れません。

ボーンを選択

手と腕のポイントをボーンに割り当てるには、最初に"Arm"レイヤーを選択してください。それから、上腕部のボーンを選択するために、ボーンを選択 ツールを使用してください。


上腕ボーンの選択

ポイントの割り当て

次に、ポイントの割り当て ツールを選択し、腕全体のポイントを選択領域で全て囲みます。その後、選択したポイントをボーンに割り当てるために、スペースバーを押してください。


全てのポイントを上腕ボーンに割り当て

ポイントの割り当てツールが選択されている状態で、ALTキーを押しながら下腕部のボーンをクリックすると、選択するボーンを変更できます。ボーンが赤色に変化しますが、ポイントは未選択であることに注目してください。これは下腕部のボーンのポイントの割り当てがまだであることを示しています。全てのポイントは今のところ上腕部のボーンに割り当てられています。

それでは、以下のように下腕部のポイントを選択して下さい。

下腕ボーンを選択

ボーンの操作

すぐにスペースバーを押して、ポイントをボーンに割り当ててください。これで、ボーン割り当ては終了です。 ボーンの操作 ツールを使って、うまく割り当てられたか試験すると良いでしょう。

以上の方法は、ボーンをポイントに割り当てるために正常に機能しますが、Anime Studioでは特別な理由がない限り、この方法を推奨しません。

凝ったアートワークを作成すると多量のポイントが含まれるため、手動での割り当てでは労力が結構かかってしまいます。さらに、手動割り当てでは関節部がカッチリした動きとなってしまい、動きが不自然となるのも理由の一つです。これらが自動割り当てに固執する理由です。

レイヤー割り当て

レイヤーを割り当て

最後にレイヤー割り当てを紹介します。これはレイヤーに含まれる全てのポイントを、特定のボーンに割り当てる機能です。 "Arm"レイヤーが選択されてることを確認して、レイヤーを割り当て ツールで下腕部のボーンをクリックしてください。"Arm"レイヤー全体が下腕部のボーンに割り当てられます。


Armレイヤーを下腕ボーンに割り当て

ボーンの操作

ボーンの操作 ツールでボーンを試験してください。全てのポイントは下腕部のボーンにそって動作することがわかります。 この機能は何に使用するかお分かりでしょうか? これはキャラクターに個性を持たせることに使用できます。例えばスイッチレイヤーには複数のシェイプを入れて、スイッチ切り替えすることができます。スイッチレイヤーに様々な口の形のパターンを入れておけば、リップシンクで喋らせることができます。あるいは、キャラクターにアイテムを持たせるのに役立つかも知れません。

自動割り当てに戻す

レイヤーを割り当て

さて、今までの設定を忘れて、自動割り当てに戻しましょう。まず、 レイヤーを割り当て ツールを選択してから、メインウィンドウの何もない箇所をクリックしてください。これでレイヤー割り当ては解除されます。 次に、ファイルメニューのすべて選択コマンドでポイントを全選択します。そして、ボーンメニューのポイントをフレキシブル割り当てに設定コマンドを選択します。これで自動割り当てに戻りますが、ボーンの操作ツールで再度試験すると良いでしょう。

ボーンよる腕の制御