Bone ツール

骨格システムの構築と操作

このツールはボーンレイヤーまたはスイッチレイヤーに対して使用することができます。 ツールが "" のようなシンボルを持つ場合、それはアニメーションに使用することができます。 このときタイムラインのフレームでツールを使用すると、時間軸上で変化するオブジェクトとして扱われます。 但し、タイムラインがフレーム0のときは、骨格システムの組み立てに対してのみ使われるので注意してください。

ボーンを選択

このツールを使用して個々のボーンをクリック選択することができます。 ボーンを選択する必要の一つは、削除操作です(<delete> キーか <backspace> キーを押すことで、選択したボーンとその子供のボーンを削除します)。 あるいは、ボーンを子供として接続するために使用できます。 ボーンすべての選択状態を取り消すには、何もないエリアをクリックしてください。

ボーンを移動

このツール(及び回転ツール)は選択しているボーンを別の場所に置き直すために使用します。 ボーンを新規追加したときに誤った位置に置いてしまったときは、このツールを使ってボーンをクリック&ドラッグしてください。 ボーンの根元近くをクリックした場合は、ボーンの位置を変更します。 ボーンの先端近くをクリックした場合は、ボーンのスケールと角度を変更します。 もしボーンが子供のボーンをもっているなら、その子供は連動して移動することに注意してください。

<shift> キーを併用して移動する場合は、そのボーンの親のボーンに対して45度の角度の倍数に対して平行(選択近くをクリックした場合)、あるいは垂直(根元近くをクリックした場合)にボーンを相対的に移動します。

他のレイヤーがボーンによって拘束されている状態でも、フレーム0で移動するならば拘束されるレイヤーは連動しません。 フレーム0は骨格システムの編集のみが行われ。それ以降のフレームではアニメーション設定が行われます。

【移動の微調整】 ツールが有効なとき、<ctrl> キーを押しながらカーソルキーを押すことで、ボーンを少しずつ移動することができます。<ctrl> キーに対して <shift> キーを併用することで、もう少し大きめに移動できます。

ボーンのスケール

このツールはボーンの長さを調整します。 この機能はフレーム0ではなく、以降のフレームでアニメーション操作として使用されます。 フレーム0でボーンの長さを調整するには、"ボーンを移動" ツールを使用して、ボーンの先端部分を移動してください。

ボーンを回転

このツールはボーンの角度を調整します。 ボーンの一角をクリック&ドラッグすることで、ボーンの根元を中心に回転します。 このツールを使用するとき <shift> キーを併用することで45度の倍数で角度が限定されます。

ボーンを追加

このツールは骨格システムにボーンを追加するものです。 クリックを開始した位置にボーンの根元が置かれ、ドラッグし終った位置が先端となります。 もし、ボーンを追加する前に、別のボーンが選択状態にあるなら、そのボーンは新しく追加したボーンの親となります。 そうでなく何も選択されていない状態で追加した場合は、親を持たないルートボーンとなります。

ボーンを追加する際に <shift> キーを併用すると、ボーンの方向が45度の倍数で限定されます。

親子関係を設定するとき、ボーン同士が接触している必要はありません。 ボーンレイヤー で示されている例を見ても分かる通り、二本の腕は脊椎の子供ですが、それは離れた位置にあります。 この例では、腕を動かすとき、その回転の中心は首のあたりではなく、肩のあたりの腕のボーンの根元となります。

ボーンの関連

骨格システムを作っているときに、ボーンの親子関係を間違って設定することが時々あります。 こんなとき、ボーンを削除して最初からやり直すのは馬鹿らしいですね。 このツールはそんなときに親子関係を変更するために使用できます。 まず最初に、親を変更したいボーンを選択状態にしておいてください。 次にツールを選択して、親にしたいボーンをクリックしてください。 すると新しい親が設定されて、そのボーンは青色で強調表示に変化します。 もし、対象をルートボーンに変えたい場合は、作業エリアの何もない箇所をクリックしてください。

ボーンの影響範囲

ベクターレイヤーに対してボーンを割り当てると、デフォルト状態ではベクターレイヤーのすべてのポイントに対してボーンは影響力があります。 このとき、ボーンがポイントに対して、どの程度の影響力を持つかは、影響範囲によって設定されます。 このツールを選択すると、ボーンの周囲に半透明の領域が表示され、これがボーンの影響力の強さを示します。 ツールを選択している状態で、対象となるボーンの上でマウスを左右にクリック&ドラッグすることで、影響範囲が伸び縮みします。 ボーンが移動する際、この影響範囲に近いポイントほど影響を受けて、より移動します。

デフォルトでは、一つ一つのボーンはすべてのポイントに対して影響力を持ちますが、この設定を変更することができます。 レイヤー設定ダイアログの"ボーン"タブに、"フレキシブル割り当て"と"リージョン割り当て"の二種類のオプションがあります。 "フレキシブル割り当て"は、すべてのボーンがすべてのポイントに影響力を持つことを意味します。 "リージョン割り当て"では、ボーンの影響範囲の内部にあるポイントのみが対象となります。 もし、一つのポイントが一つのボーンの影響範囲にあるときは、ポイントはそのボーンによってのみ移動します。 もし、一つのポイントが二つのボーンの重なり合った影響範囲にあるときは、二つのボーンいずれでも移動します。

"フレキシブル割り当て"は、たいていの場合でうまく機能するのでデフォルトの設定になっています。 問題となるのは、その動きがアートワークに対して、ぐにゃぐにゃした動きの印象を与えることです。 "リージョン割り当て"は、それよりカッチリした動きを与えますが、この機能を正しく使用するには若干の準備を必要とします。 このマニュアルでは、二つの機能をキャラクターに適用する際のチュートリアルを提供していますので、参照してください。

ボーンの操作

"ボーンの操作"ツールは二つの目的をもっています。 一つはフレーム0において、骨格システムが適切に動作するかのテストを行うために使用します。 このとき、ボーンはベクターレイヤーのポイントを変形しますが、それは一時的なものです。 ツールの選択を別のものに変更すると、骨格システムはリセットされて元の状態に戻ります。

もう一つはフレーム0以降で使用するというもので、骨格システムを実際に動かして、アニメーションとしてのキーフレームを生成します。

それぞれのボーンをクリック&ドラッグすることで骨格システムを操作することができます。 ポイントがボーンに拘束されているなら、それはボーンと共に変形されます。 この骨格システムの操作方法は、フレーム0とそれ以降のフレームに関わらず同じです。 もし骨格システムを操作してみて、それが正しく機能しないなら、実際にアニメーション制作を始める前に骨格システムを修正する助けになります。

【メモ】 もし単独のボーンを回転させるだけなら、"ボーンを回転"ツールを使用した方が良いでしょう。"ボーンの操作"ツールは骨格システム全体を動かすため、単独のボーンを回転させる目的には使いづらいはずです。

レイヤーの割り当て

ボーンレイヤーには他のレイヤーを割り当てることができます。 例えば"手"のレイヤーを"腕"のレイヤーに配置することができます。 腕に対して手を結合するために、このツールを使用することができます。 まずレイヤーを選択状態でツールを選び、結合したいボーンをクリックしてください。するとそのレイヤーはボーンに連動して動くようになります。 手と腕の例では、腕の終点で手を固定するために、手首のあたりにボーンの先端を置くと良いでしょう。

このツールを使って、一つの骨に対して複数のどんなレイヤーも割り当てることができます。 但し、ベクターレイヤーの特定のポイントを結合したい場合は、"ポイントの割り当て"ツールを使用してください。

ポイントの割り当て

"ポイントの割り当て"ツールは、Draw ツールの"ポイントの選択"ツールのように動きます。 選択したポイントをボーンに対して結合したいときにツールを使用してください。 このツールを使用するには、まず対象となるポーンが選択状態にある必要があります。 ボーンが選択されると同時に、現在ボーンに割り当てられているポイントが選択状態に変わります。 このツールは、その選択状態にポイントを追加するか、または選択状態から解除することができます。 ボーンに対してのポイントの選択が終了した時点で、"スペース" キーを押してください。Anime Studioはボーンへのポイント割り当てを行います。

このツールはボーンとポイントを正確に割り当てたいときに有効です。 しかし、Anime Studio 5.0以降からは、"ポイントの割り当て"ツールの使用を推奨しません。 このツールを使用する代わりに、ボーンの影響範囲によるポイントの自動結合を調整することをお勧めします。 このテクニックはこのマニュアルの チュートリアル のセクションで解説します。

ボーンのオフセット

"ボーンのオフセット" ツールはフレーム1での、ボーンの開始位置を設定するものです。 このツールが存在する理由は、複雑なキャラクターの構築を単純化するためにあります。 手や足などにボーンを設定しているとき、しばしばその影響範囲に胴体まで重なってしまって困ることがあります。 そんなときは、手足と胴体を離れた位置に置いて骨格システムを構築してから、"ボーンのオフセット" ツールで最終的に位置に移動するという手段を提供します。

実例なしでこのツールの有用性を記述するのは難しいでしょう。そこでマニュアルのチュートリアルで解説を行っていますので、ぜひ参照してください。