このチュートリアルは、前回のものに引き続いて、より複雑なシェイプを描く方法を解説します。前回作成したプロジェクトの続きから始めるか、 "Tutorials/1 - Basics"フォルダの"Tutorial 1.2"ファイルを読み込んでチュートリアルを開始してください。
ここから始めます
レイヤーウィンドウの"新規レイヤー"ボタン をクリックして、ポップアップメニューから"ベクター"を選択して新しいレイヤーを作成してください。このレイヤーをダブルクリックして、"Clouds"と名前をつけます。
すぐさま ポイントの追加 ツールを選択して、下図のようにクリック&ドラッグで短い線を作成してください。
線分の作成
次に、作成した線分の端の部分をドラッグして、曲線を作成してください。
ポイントを付け加えて曲線にします
さらに三つのポイントを追加して、下図のような曲線を作成します。
描かれた曲線
ここでのコツは終端をクリックしたあと、線を引き出すようにドラッグしてやることです。自在に線を引き出せるように、マウスの操作を練習してください。もし間違っても、編集メニューの元に戻すコマンドで失敗を取り消せるので、心配することはありません。
ここで新しい概念として、二つのポイント同士を「融合」させる機能を紹介しましょう。「融合」は二つのポイントを一つに結合することができ、曲線を閉じたループにすることや、分岐した二本の曲線を作るのに用います。
先ほど作成した曲線に別の曲線を結合してみましょう。この場合、自動融合の機能を使うと便利です。メインウィンドウ最上部のオプションエリアにある"自動融合"がチェックされていることを確認してください。次に曲線の終点から一つ前のポイントをクリックして、右下にドラッグしてください。
曲線を分岐させる
曲線の途中に対して ポイントの追加 ツールを使用すると、新しく作成した曲線が自動的に融合します。こうやって作成した二本の曲線は、永久に接続された状態となります。この機能はシェイプを塗りつぶすときに必須なので、必ずマスターしてください。
新しい曲線を融合
新しい曲線にポイントを付け加えて、下図のような曲線を作ってください。
さらにポイントを追加
最後に、最初の曲線の始点に2ポイントを付け加えて、閉じた図形を完成させてください。最後のポイントをドラッグしてマウスを離すとき、下図のように新しい曲線の終点から二つ目のポイントの上で離すようにしてください。自動融合で閉じた図形が出来上がります。
完成した雲
今までの説明は文字では解り難いものです。以下のムービーで、どのように図形を作成するのか手順を確認してください。特に、二本の曲線が接続される様子に注意してください。
雲の描き方の例
雲を塗りつぶす手順は、以前のチュートリアルで丘に色を塗ったのと同じです。まずは シェイプの作成 ツールを選択してください。 メインウィンドウ上の雲の図形を、選択領域で囲むようにクリック&ドラッグしてください。もし、いくつかのポイントが選択から漏れてしまった場合は、編集メニューから接続しているポイントを選択コマンドを実行してください。関連するポイントが自動的に選択されます。
塗りつぶしのためシェイプを選択する
選択が完了すると、雲の図形は以下のようにハイライト表示されるはずです。
シェイプの選択
正しくハイライトされたなら、塗りつぶしを確定するためにSpaceバーを押してください。塗りつぶしの初期値は白色で、ラインの色は黒色ですので変更する必要はありません。ただ、雲を柔らかく見せたいので、ラインに効果を付け加えましょう。ラインのエフェクトのポップアップメニューから"ソフトエッジ"を選択して、ダイアログに対してOKボタンをクリックしてください。最終的な効果を確認するために、ファイルメニューからレンダリングコマンドを実行してください。
雲の最終出力を確認
もう一つ雲を追加しましょう。ファイルメニューからすべて選択コマンドを選択します。 ファイルメニューからコピーコマンドを選択し、すぐに貼り付けコマンドを実行します。続いて、ツールバーから ポイントの移動 ツールを選択してください。 二つの雲を分離するため、作業領域をマウスでクリック&ドラッグしてください。(クリップボードを経由してオブジェクトをペーストすると、それはオリジナルの上に重なって配置されます)
雲の複製
新しい雲をオリジナルより少し小さくしましょう。ツールバーから ポイントのスケール ツールを選択してください。ポイントのスケール ツールは、垂直方向または水平方向にオブジェクトの形状を変形できますが、この場合、雲の見た目は変えたくありません。雲の周囲に出現した四角いハンドルの角の部分をクリックして、マウスをドラッグしてください。 思った通りの位置とサイズになるように、 ポイントのスケール ツールと ポイントの移動 ツールを何度か使用して微調整してください。
縮小して出来た二つ目の雲
次に編集メニューの選択の解除コマンドを選択して、ポイントの選択を解除してください。(またはEnterキーを押しても構いません) もう一度、ポイントの移動 ツールを選択してください。このツールを使って雲の見た目を変更して、違う雲にしてしまいます。個々のポイントをクリック&ドラッグして、好きなように形状をいじってください。ここでは下図のような形状に変形しました。
ポイントを修正
だんだんと見栄えが整ってきました。でも、少し寂しい気がしますので、樹木を追加してみましょう。
レイヤーウィンドウの"新規レイヤー"ボタン をクリックして、ポップアップメニューから"ベクター"を選択して新しいレイヤーを作成してください。このレイヤーをダブルクリックして、"Tree"と名前をつけます。
ポイントの追加 ツールと自動溶接の機能を使って、木の幹を作成してください。もし間違っても安心して、編集メニューの元に戻すコマンドでやり直してください。また、作った幹の見栄えが良くない場合は、 ポイントの移動 ツールでポイントの位置を調整してください。もし、ポイントの数が多すぎると思ったなら、 ポイントの移動 ツールでポイントを選択してから、 Back SpaceキーまたはDeleteキーを押すことで、そのポイントを削除することができます。
以下に木の幹の作成例をあげますが、この通りになっていなくても構いません。
木の幹を描く
もう、塗りつぶしの方法はご存知ですね? 木の幹を塗りつぶして、それらしい色をつけてください。
着色した幹
ここで、まだ説明していない便利なツールをご紹介しましょう。パン ツールと ズーム ツールは作業エリアを移動するのに使用できます。あなたが図形を描いているときに、しばしば図形が小さくて見づらかったり、画面の端にあって操作し辛いことがありますが、このツールを使うと図形の見た目の位置を好きな場所に変更して、作業に集中することができます。また、作業が終わって表示を元に戻したい場合は、ビューメニューのリセットコマンドを実行すると表示をリセットすることができます。
もう一つは 曲率 ツールです。このツールを選択してから、ポイントをクリック&ドラッグすると、曲線の曲がり具合を強めたり弱めたりすることができます。少ないポイントで曲線を描くときに便利です。
さて、それでは木のこずえを追加して緑樹にしましょう。こずえの形状は、雲の形状と似ていますので制作方法は同じです。但し、一つだけ気をつける点があります。それは、こずえが幹と重なっている箇所にポイントを付け加えるとき、誤って幹にポイントを付け加えてしまいがちということです。
この問題を解決する方法は二つあり、一つはパンツールとズームツールを使って作業エリアを拡大して、間違った箇所をクリックしにくくすることです。もう一つは、こずえを空の開いたスペースで作成してから、ポイントの移動ツールで木の幹の上に移動するという方法です。
こずえ
次に、こずえを塗りつぶすことにしましょう。それには雲で行った操作とは違った方法を使います。シェイプの作成 ツールで選択領域で囲もうとしても、それでは木の幹まで選択してしまうからです。そこで、シェイプの作成 ツールを使って、こずえの曲線のエッジをクリックしてください。下図のように曲線が選択されます。
曲線を選択
次に残りの部分を選択するために、編集メニューから接続しているポイントを選択コマンドを選択してください。(またはTabキーを押しても構いません)
こずえの残りを選択
スペースキーで確定したあと、塗りつぶし色として深緑色を設定してください。また、ラインの幅として"4"を設定します。この理由は後で説明します。
ファイルメニューのレンダリングコマンドを実行して、最終的な出力結果を確認してください。こずえのラインだけが、他のラインより太くなっていることがわかると思います。 では、Anime Studioの線幅を可変に設定する機能を紹介しましょう。まず、Enterキーでポイントの選択を解除します。続いて、ライン幅 ツールを使って、曲線の端点を全てクリックしてください。もう一度、ファイルメニューのレンダリングコマンドを実行して、曲線の先端が細く変わったことを確認してください。 ツールは左右にクリック&ドラッグすることで、線幅を細くにも太くにも変えることもできます。
ライン幅の変更
次のチュートリアルでは、オブジェクトにボーンを仕込む方法について学びます。このチュートリアルの結果を再利用しますので、プロジェクトを保存しておくと良いでしょう。
完成した背景