このチュートリアルは、AnimeStudioのボーンのコンストレインツを解説するものです。コンストレインツ(制約)とはボーンの動きを制限したり、ボーンに別のボーンの動き(互いに親子関係に無い)を設定する機能です。これらはアニメーションの作業を単純化するもので、うまく設定すればボーンの動きを自動化することもできます。
このチュートリアルを始める前に、アートワークを含んだプロジェクトを読み込んでください。それは"Tutorials/3 - Bones"フォルダに"Tutorial 3.2"と名づけられて保存されています。 プロジェクトを開き、レイヤーウィンドウが以下のように設定されているか確認してください。
ここからチュートリアルを始めます
このプロジェクトには、コンストレインツを設定していない二つのボーンレイヤーが登録されています。以降の解説で、コンストレインツの仕組みをボーンに加えてゆきましょう。
コンストレインツの最初のタイプは角度コンストレインツです。ボーンが回転できる角度を制限することで、腕や脚が変な方向に曲がるのを防ぐことができます。 "Arm"レイヤーが選択されていることを確認してから、ボーンを選択 ツールで前腕ボーンを選択してください。
下腕ボーンの選択
ボーンを選択ツールが動作している間に、メインウィンドウ最上部の"コンストレインツ設定"をクリックして、ポップアップメニューを表示してください。"角度の制限"をチェックして、以下のように 最小/最大(度) のフィールドに、それぞれ-10と100を入力してください。
角度コンストレインツの設定
次に 閉じる ボタンでポップアップを閉じ、ボーンの名前として"Forearm"を設定します。この理由は後で説明します。
ボーンに"Forearm"と名づける
一旦、角度コンストレインツを設定すると、制限範囲を示す赤いラインがボーンの根元に表示されることがわかります。ボーンの操作 ツールを使って、角度コンストレインツが正しく働くか試験してください。 上腕ボーンが角度コンストレインツの作用によって、設定した角度以上には動かなくなったことが分かります。
角度コンストレインツの表示
【メモ】 ちょっとしたヒントを教えましょう。角度の値として、どんな数値を入力すればいいのか、しばしば戸惑うことがあります。そんなとき、あなたのマウスがホイール付きなら、角度のフィールドの上でホイールを回転して見てください。数値がホイールに連動して変化し、制限範囲も実際に目で確認できます。
コンストレインツの二つ目のタイプは、一つのボーンから別のボーンを制御できることです。この例は、単純な自動アニメーションを設定する方法です。上腕の上の小さなボーンを選択してください。
ボーンを選択
もう一度、"コンストレインツ設定"のポップアップを表示して、"角度制御ボーン"から先ほど名前をつけた"Forearm"を選択します。そしてフィールドに0.5の数値を入力します。 (これで名前をつけた理由がお分かりですね? 項目として選択するには、前もってボーンに名前をつける必要があるのです)
角度の設定
同じように、上腕の下の小さなボーンにも、"角度制御ボーン"を設定します。但し、数値には-0.5を入力してください。
設定が終わったら、ボーンの操作 ツールで試験してください。上腕を動かすのに応じて小さいボーンが連動し、力こぶが盛り上がるアニメーションが自動で再現されます。
コンストレインツの三つ目のタイプは、ボーンのロックです。ボーンをロックすることで、アニメーション設定中にボーンを動かないよう固定することができます。
レイヤーウィンドウの"Frank w/Skeleton"レイヤーを選択してください。ボーンのロックは、キャラクターの足が地面を離れないようにしますが、このとき、キャラクターの脚が変な方向に曲がらないように角度コンストレインツを設定しておきます。Frankの左すねのボーンを選択してください。
左すねの選択
制約角度として、最小-10と最大120を入力します。
左すねに角度コンストレインツを設定
右すねのボーンも同様に設定しますが、逆向きなので最小-120と最大10を入力してください。
これで準備完了しました。タイムラインを24フレーム目に設定してください。ボーンの移動 ツールを使って、背骨ボーンを適当に移動してみてください。背骨ボーンに追従して脚のボーンも動いてしまうことがわかります。 それでは0フレーム目に戻って、左つま先ボーンを選択してください。
左つま先を選択
メインウィンドウ最上部に表示されている"ボーンをロック"をチェックしてください。同様に右つま先ボーンも"ボーンをロック"をチェックします。
左つま先のロック
これで足がロックされましたので、24フレーム目に戻って、ボーンの移動 ツールで背骨ボーンを動かして見てください。足が地面に固定されて、しっかり立っているようにアニメートされます。このとき、Frankを高く持ち上げるとどうなるでしょうか? 足がまっすぐになって地面を離れることがわかります。同様にして、ボーンの回転も試してみてください。
ロックの働き
このロック機能はアニメーションのパラメタとすることができますので、アニメーション作業中、あなたは自由にロックをオン/オフすることができます。これはキャラクターを歩かせるときに役立ちます。足が地面に接触したら直ぐにロックをオンにし、別の足を地面から離し、その足が着地したときにはロックをオフにするなどです。