このチュートリアルではリップシンクのもう一つの方法について説明します。この方法ではリップシンクを音素に基づいて同期させることができます。この場合の「音素」とは音声を基本的な発音記号に分解したものです。音素データを作成するには幾つかの方法がありますが、AnimeStudioではフリーウェアのPapagayoを推奨します。
【訳注】ここでいう"音素データ"というのは、音声波形のフォルマントとかなんとかそんな難しい概念のものではなくて、単に発音記号をテキスト形式で並べたものです。Papagayoはこのデータを作成する機能がありますが、音声波形から解析するなんて難しいことはしてなくて、ユーザーが時系列に発音記号を並べるためのエディタとしての機能しかありません。
このチュートリアルを始める前に、アートワークを含んだプロジェクトを読み込んでください。それは"Tutorials/5 - Animation"フォルダに"Tutorial 5.2"と名づけられて保存されています。 プロジェクトを開き、レイヤーウィンドウに "Head" レイヤーが表示されているか確認してください。
ここからチュートリアルを開始する
このプロジェクトは、ほとんど完成していますが、キャラの口の動きがまだ付けられていません。アニメーションを再生しても、口のレイヤー(Switchレイヤーに設定されている)は動作しません。
"Mouth"レイヤーをダブルクリックして、"スイッチ"タグを選択してください。
口に関するレイヤーを設定
次に"ソース選択..."ボタンをクリックして、ファイルダイアログに対して、"Tutorials/5 - Animation"フォルダにある"vista.dat"を選択してください。
"vista.dat"はPapagayoと呼ばれるソフトウェアによって作成したものです。Papagayoは音声ファイルから音素データを作成することを支援するソフトウェアです。ここで使用するファイルはPapagayoの例題に沿って作成したもので、"Hasta la vista, baby."という音素データが定義されています。詳しくは、Papagayoのドキュメントを参考にしてください。
"Mouth"レイヤーには、どんなフレーズでも話せるように、すべての口の形状が登録されています。 どんなサブレイヤーが含まれているか、"Mouth"レイヤーを調べてみてください。 それぞれのサブレイヤーには、音素の名称に従ってそれぞれ名称がつけられています。 これにより、どんな音素でも指定することができますが、このセットはPapagayoのデフォルトに基づいて定義されています。 Papagayoを使って、口にしゃべるアニメーションをさせるためのデータを作成してください。
アニメーションと同時に音を聞くため、アニメーションメニューから"サウンドトラックの選択..."コマンドを選択し、"Tutorials/5 - Animation" フォルダにある vista.wav ファイルを指定してください。 アニメーションを再生すると唇に同期して音声が流れるはずです。 もし、アニメーションをQuicktimeやAVIで出力するなら、音声はムービーファイルに含まれて出力されます。
最終結果