ボーンレイヤーはグループレイヤーのように複数のオブジェクトを一つにまるめることができます。 しかしボーンレイヤーは追加の特徴を持っていて、作成したアートワークに対して骨格システムを使った操作を提供します。 骨格システムはその名の通り、アートワークの外部の可視部分を制御するための内部構造として機能します。
アニメーションを行う前には、ボーンをセッティングする必要があります。 ボーンレイヤーにシェイプを描くことができません。 後でアニメーションを制御するための手段として設置されます。 ボーンの目的は、頑丈な骨格システムを作り出すことにあります。 骨格システムを構築しておくと、オブジェクトをアニメーションするときの強力な手段となります。 例えば、一つのボーンをキャラクターの腕に構築すれば、腕全体を動かすことができます。 このとき、肘の部分でアートワークが変形し、全体の滑らかさは維持されるでしょう。
ボーンは単独では何もしません。 また、アニメーションの最終出力にも表示されません。 ボーンを利用するには、それが他のレイヤーのオブジェクトに対して接続されている必要があります。 その手順については、チュートリアルを参照してください。
ボーンの組み合わせで骨格システムを作るとき、それぞれのボーンは階層構造を持ちます。 それぞれのボーンは一つの親(たいていのボーンは親を持っていますが、ルートボーンはその限りではありません)を持ち、それぞれのボーンは多数の子供を持っているかも知れません。 親子の関係にあるとき、親のボーンが移動すると連動して子のボーンも移動します。 子のボーンのみが移動するときは、それは親のボーンに影響を与えません。
以下にAnime Studioのボーンの構築例を示します。 それぞれのボーンは親を持ち(ただし、脊椎はルートなので親を持ちません)、それぞれの親に対して、赤い矢印が表示されています。 現在選択されているボーンが赤で強調されて、その他のボーンが青で表示されていることに注目してください。
ボーンの階層
ベクターレイヤーに対してボーンを使用すると、ボーンが曲線に対してどのような影響を与えるか常に考える必要があります。 ボーンが移動すると、それに連動してポイントが移動します。 それぞれのボーンは、ボーンの周囲に(調整可能な)影響範囲を持ちます。 その他のボーンもポイントに対して若干の影響を与えますが、その割合は影響範囲からの距離によって決定されます。 下図はボーンとポイントの例です。 それぞれのボーンの周囲に影響範囲が表示されていることに注目してください。 二つ目の図はボーンが移動したときの、同一のオブジェクトを示したものです。 ボーンの影響範囲がポイントと曲線に対して、どのように影響したか注目してください。
ベクターへのボーンの割り当て
ボーンの移動によるポイントと曲線の変化