Flash出力のヒント

Anime StudioでFlash出力を行い場合のアドバイス

Anime Studioからムービー出力を行う際、オプションとしてFlashのSWFファイルを選択することができます。 SWFはベクター形式によるアニメーションをサポートした、Macromedia が開発したデータ形式です。 FlashはWeb用アニメーションに一般的に使用されていますので、たいていの利用者のPCにはFlashプレイヤーがインストールされているはずです。 Anime StudioとFlashと技術の方向性が似ているため、ある程度の互換性をもってSWFファイルを出力できます。

しかしながら、Anime StudioとFlashには完全な互換性があるわけではありません。 そのため、Anime StudioからFlashに出力する際、いくつかの要素が出力できません。 付け加えるなら、FlashはWeb上で使われるものなので、ファイルサイズの小ささが重要視されます。 もし、あなたが最終出力としてFlashの使用を考えているなら、Anime Studioでアニメーションを作成する際にこのことを念頭に置いて制作する必要さえあります。

SWFファイルをシーン毎に個別に出力して、Flashオーサリングツールによってこれらを結合して、いくつかの要素や、サウンド効果を別途付け加えたほうが良い場合もあります。 なお、Anime StudioのSWFファイルはFlash MXと互換性があり、Flash 5以前のバージョンでは読み込むことが出来ないことに注意して下さい。

出力可能な要素

Anime StudioがFlashに出力できる要素は、以下の通りです。

出力できない要素

一方、Anime StudioとFlashの互換性の問題で、いくつかの要素はFlashに出力することができません。 以下に出力できない要素を示します。

効率的なFlashファイルを作成する方法

あなたがSWFファイルを最終出力としてアニメーションを制作するなら、いくつか念頭に置く必要な事柄があります。 SWFファイルに重要視されるのはファイルサイズの小ささです。 ここでキーポイントとなるのは、なるべく多くのレイヤーに対して「最適化」の印をキープできるかにかかっています。 最適化されたレイヤーは、そうではないレイヤーと比べて、はるかに少ない容量で済みます(QuickTimeやAVIを使用する場合は無関係です)。 レイヤーが「最適化」されているかどうかは、レイヤーウィンドウのアイコンに対して、以下のような小さな赤いドットがあるかで識別できます。

赤いドットで示された最適化レイヤー

レイヤーを作成した直後は必ず「最適化」されています。 しかし、レイヤーに対して変形を行うと「最適化」が消え失せます。 次のものは「最適化」を消す種類の変形を示したものです。 【注意】「最適化」の印がないレイヤーをFlash出力することはできますが、その効率は悪くなります。

ボーンレイヤーは最適化を阻む主因となります。 Anime Studioと異なり、Flashはボーンシステムを持ちません。そのため、Flashに同じ効果を出力するためには、多くの追加情報が必要となります。 ボーンアニメーションを使用しながら、レイヤーを「最適化」の状態に留める方法の一つとして、ボーンでベクターレイヤーのすべてのポイントを変形するのではなく、レイヤーをボーンに割り当てることです。 この場合なら、ボーンは回転アニメーションのみに留まるため、「最適化」の状態を保つことができます。 しかし、この調整をキャラクター全体に適用することは難しいでしょう。 そんな場合は、キャラクターの部位を分割して、どうしてもボーン変形を必要とする箇所のみに留める方法が考えられます。 これならキャラクターのいくつかの部分は「最適化」の状態なので効率的です。

SWF出力際に検討すべき内容を以下に示します。

避けるべき点

もし最終アニメーション出力がSWF出力を目標とするなら、いくつかの避けるべき事柄があります。 SWF出力すべきでないエフェクトがありますので、次に述べるエフェクトは可能なら避けるべきです。 もちろん、これらは出力可能なエフェクトですが、SWFファイルとして効率的ではありません。 いくつかの要素はどうしても除外したくないかも知れません。 しかしながら、アニメーション出力を慎重に計画して、どうしても外せないエフェクトのみを残すなら、結果としてSWFファイルのファイルサイズを小さくすることができるでしょう。