AnimeStudioのボーンダイナミクスは、高レベルの運動シミュレーションによって、自動的にボーンを動かします。 ボーンダイナミクスではボーンをスプリングと見なして運動シミュレーションします。これは高範囲にわたる身体運動に応用できます。(例えば、弾む髪の毛、たわむ胸、身につけられたアクセサリーの揺れなど)
このチュートリアルを始める前に、アートワークを含んだプロジェクトを読み込んでください。それは"Tutorials/3 - Bones"フォルダに"Tutorial 3.3"と名づけられて保存されています。 プロジェクトを開くと、以下のように表示されます。
ここからチュートリアルを始めます
これからすることを理解するため、まずはアニメーションを再生して見てください。全体が左右に傾き、そして上下に跳ねますが、全体の構造は硬いままです。中央の垂直のボーンには複数の「子供」のボーンがありますが、それらは中央のボーンと共に動いています。一通り理解できたらアニメーションを0フレーム目に巻き戻してください。
Select Bone ツールを使って、以下のようにボーンを選択してください。
ボーンを選択
メインウィンドウ最上部の"Bone constraints"ボタンをクリックして、ポップアップメニューを開いてください。ポップアップの"Bone dynamics"をチェックします。これで、ボーンをスプリングとしてシミュレーションすることになります。
ダイナミクスを設定
中央の垂直ボーンを除いた他の7本のボーンを選択して、同様に"Bone dynamics"をチェックしてください。このとき、ポップアップメニューは開いたままにしておくことが出来ます。ボーンを選択するごとに、ポップアップの表示内容だけが変化しますので、順に"Bone dynamics"をチェックしてゆきます。 なお、このときポップアップでオブジェクトが隠されて見えない場合は、メインウィンドウをマウスの右クリックでドラッグすることで、表示位置を変更することができます。
以上で垂直ボーン以外の全てのボーンにダイナミクスが設定できました。違いを確認するため、アニメーションを再生して見てください。腕のボーンが垂直ボーンに応じて跳ね回るのがわかると思います。
それでは、ボーンダイナミクスを使用するときの基本を説明しましょう。これを読めばスプリングの弾性を調整する方法が飲み込めると思います。 まず、もう一度左上のボーンを選択し、"Bone constraints"のホップアップを表示してください。スプリングパラメタの影響力を設定するために、次の三つのパラメタを以下のように設定してください。Torque force[4]、Spring force[2]、Damping force[2]と設定します。
ダイナミクスのパラメタ調整
Torque force(トルク係数)の値を大きくすると、そのボーンは「親」の移動に応じて、より大きく影響を受けるようになります。 Spring force(ばね係数)は、それがどの位早く復帰するかを決定します。 Damping force(減衰係数)は、ボーンがダイナミックにどれくらい速く動くか、あるいは速く停止するか決定します。これは摩擦力がどの程度働くのかと考えることができます。 この場合、高いトルク係数を設定することは、ボーンがより激しく動くことを意味します。このボーンの親ボーンを選択して、同じパラメタを設定してください。
次に、右上の二本のボーンについて、Torque force[2]、Spring force[2]、Damping force[5]と設定してください。 これら設定はボーンの動きを減速させる働きをします。高い減衰係数を設定することは、ボーンが粘度の高い液体の中を進むような働きをします。
三本のボーンに高い減衰係数を設定
最後に、左下の二本のボーンについて、Torque force[2]、Spring force[4]、Damping force[1]と設定してください。 高いばね係数は、これらのボーンが素早く復帰する設定となります。
三本のボーンに高いばね衰係数を設定
もう一度アニメーションを再生してみてください。最終的にアニメーションによって、それぞれの腕がどのように動くか観察してください。左上腕は、親の動きに大きく影響されるので大きく孤を描く動きをします。右上腕は、減衰係数により、速く失速します。左下腕は弾力があり、何度も揺れるのがわかります。これらをデフォルト設定である右下腕の動きと比較して見てください。
最終結果