タイムライン ウィンドウ

概要

タイムラインウィンドウでは、オブジェクトの時間軸上での変化をキーフレームで制御することにより、オブジェクトのアニメーション化を行います。

Anime Studioのタイムライン

タイムラインウインドウは、プロジェクトの現在アクティブなレイヤーについての情報を示しています。 新しく別のレイヤーを選択すると、タイムラインはその選択されたレイヤーについてのキーフレーム情報に自動的に書き変わります。

時間軸の制御

タイムラインウィンドウの最上部には、現在の「時間」が常に制御管理されています。 オブジェクトを編集すると、現在時間に対して編集情報が記録されます。 現在時間を変更してから、オブジェクトの編集、このプロセスを繰り返すことでアニメーションを形作ることができます。 Anime Studioでは、1秒当たりのフレーム数で時間を管理しています。 デフォルトではフレーム数は毎秒24フレームが設定され、これはプロジェクト設定ダイアログで変更することができます。

最初に、ビデオデッキのような、再生コントロールを紹介します。 このコントロールはタイムラインウィンドウではなく、メインウィンドウの左下にあり、下図のようなボタンで構成されています。

再生コントロール

「巻き戻し」をクリックすると、現在フレームが0にセットされます。 「最後のフレームへ」をクリックすると、フレームはアニメーションの一番最後のフレームに位置付けられます(アニメーションの長さは、時間目盛りの影がついた領域で明示されています)。 「1フレーム進める」と「1フレーム戻す」のボタンは、フレーム番号を1フレームずつ前後させることができます。 「再生」ボタンは、設定されたアニメーションを、作業エリアで繰り返し再生します。最後に「停止」ボタンをクリックすると、再生が停止されます。

タイムラインウィンドウの左上には、現在のフレーム番号を入力するテキスト欄があります。 この欄にフレーム番号を入力してから <Enter> キーをタイプすると、現在のフレーム番号が更新されます。

フレーム欄の下には時間軸を示す目盛りが表示されています。 この目盛りは1フレーム毎に小さな刻みと、数フレーム毎のフレーム番号が表示されます。 さらに赤い三角印で現在のフレーム位置が明示されています。 時間目盛りのいずれかの場所をクリックするか、ドラッグすることで、現在のフレームを変更することができます。

時間目盛りの影がついた領域は、アニメーションの長さを示しています。 アニメーションを再生したり、最終アニメーションを出力するときは、この範囲のアニメーションが採用されます。 この範囲はプロジェクト設定ダイアログで変更できます。 あるいは、<alt> キーを押しながら、時間目盛りをクリックすることで、開始フレームの位置を設定することができます。 さらに、<alt> キーを押しながら、時間目盛りを右クリックすることで、終了フレームの位置を設定することができます。

時間目盛りの下には、オニオンスキンのコントローラがあります。 これには時間軸上のマーカーを表示することができます。 オニオンスキンの任意の位置をクリックするとマーカーが表示され、オニオンスキンのフレームが有効となります。 オニオンスキンのフレームは、現在フレームの画像に重なった輪郭として表示され、異なった時点でのアニメーションを比較することができます。 この機能は、複雑な動きを表現するときの助けになります。 もし、オニオンスキン・ポップアップメニューから「相対フレーム」をチェックしたなら、フレーム間は相対的な距離を維持するようになり、現在フレームを変更するのと連動して、オニオンスキン・フレームも移動します。 また、フレームの構造が複雑で見づらい場合は、「選択したレイヤーのみ」を選択してアニメーションを設定したいレイヤーのみのオニオンスキンを表示することができます。 なお、Anime Studioでは、最大8個までのオニオンスキンを表示することができます。

部分的な再生

アニメーションを制作しているとき、アニメーションの全体を再生するのではなく、一部の範囲を繰り返し再生して動きを確認したいときがあります。 こんなとき、アニメーションの再生範囲を簡単に設定する方法があります。

<ctrl> キーを押しながら、時間目盛りのアニメーション開始位置をクリックし、終了位置を右クリックしてください。 時間目盛りにはアニメーションの再生範囲がマーカーで表示されます。 なお、この範囲設定を解除したい場合は、<ctrl> キーを押しながらマーカーをクリックすることで解除することができます。

アニメーション チャネル

タイムラインの全体には横ラインが引かれ、それぞれがアニメーションのチャネルを示しています。 それぞれのチャンネルは、Anime Studioがサポートするアニメーションの動きや効果などのタイプを示しています。 レイヤーによって、使用可能なチャンネルのタイプは異なります。 例えば、ベクターレイヤーはポイントのアニメーションチャンネルを持つ唯一のレイヤーです。ボーンレイヤーには、ボーンチャンネルがあります。 それぞれのチャンネルのタイプは、ラインの左端に示したアイコンによって識別できます。 以下にチャンネルのタイプを示します。なお、赤い色をしたアイコンは、現在選択されているオブジェクトに対するアニメーションであることを示しています(チャンネルのタイプを忘れてしまったなら、アイコンの上にカーソルをかざすとヒントが表示されます)。

メモ: 見やすさを優先するため、タイムラインにはすべてのチャンネルが表示されているわけではありません。 例えば、タイムラインでレイヤーのシャドウ・チャンネルを確認する必要はほとんどないと思います。 もし、チャンネルの表示/非表示を変更したい場合は、タイムラインの設定ボタンで必要となるチャンネルのアイコンをチェックしてください。

アニメーション チャンネル

アイコンチャンネルのタイプ

 

レイヤーの動き専用チャンネル
レイヤーの移動
レイヤーのスケール
レイヤーのZ回転
レイヤーのY回転
レイヤーのX回転
レイヤーの水平反転
レイヤーの垂直反転
レイヤーのせん断

 

レイヤーのエフェクト専用チャンネル
レイヤーの表示状態
レイヤーのぼかし
レイヤーの不透明度
レイヤーのシャドウ
レイヤーの陰影
レイヤーのモーションブラー

 

カメラ専用チャンネル
カメラの並行移動
カメラのズーム
カメラのロール
カメラのパン/チルト

 

ベクター専用チャンネル
ポイントの動き
選択したポイントの動き
ポイントの曲率
選択したポイントの曲率
塗りつぶし色
選択した塗りつぶし色
ラインの色
選択したラインの色

 

ボーン専用チャンネル
ボーンの角度
選択したボーンの角度
ボーンの移動
選択したボーンの移動
ボーンのスケール
選択したボーンのスケール
ボーンのロック
選択したボーンのロック

 

スイッチ専用チャンネル
スイッチの設定

 

パーティクル専用チャンネル
パーティクルのOn/Off

チャンネルライン上にはキーフレームが表示されます。 これはオブジェクトに動きなどの編集を加えた時間位置を示したものです。 例えば、現在フレームを24にセットしてからレイヤーのスケールを変更すると、「レイヤーのスケール」チャンネルのフレーム24の位置にキーフレームが表示されます。 キーフレームは小さな丸いマーカーで示されます。 キーフレームとキーフレームの間に隙間があっても、Anime Studioはその動きを自動的に計算して補完します。

キーフレームの編集

キーフレームはチャンネル上に表示される固定されたマーカーではありません。 それらを移動したり、削除したり、コピーすることが可能です。 キーフレームを編集するには、まず最初に選択する必要があります。 タイムライン上のキーフレームをクリックすると、赤色に強調されて選択状態となります。 複数のキーフレームを選択する場合は、Shiftキーを押しながらクリックしてください。 もしくは、タイムライン上をドラッグすることで選択ボックスを表示して、囲まれたキーフレームを選択することもできます。

選択したキーフレームを削除したいときは、タイムラインウィンドウの「削除」ボタンをクリックするか、<alt> キーを押しながら <backspace> キーを押してください。 キーフレームを削除することにより、オブジェクトから動きが取り除かれます。 キーフレームをドラッグすることで、タイムライン上を前方または後方に移動することができます。 もし、動きのタイミングを遅くしたい場合は、右にドラッグしてください。 逆にタイミングを早くしたいときは、左にドラッグしてください。

前述したように、Anime Studioはキーフレーム間の動きを補完します。 しかし、この補完の方法を変更したい場合があります。 デフォルトでは、Anime Studioはキーフレーム間の動きを滑らかに繋ぐように補完しますが、たいていのアニメーションはそれで間に合うはずです。 しかしながら、キーフレームを右クリックして表示されるポップアップメニューで、この補完法を変更することができます。 補完法の種類は次の通りです。

キーフレームをコピーすることで、オブジェクトの動きをコピーすることができます。 この操作を行うために、まずはコピーしたいキーフレームを選択してください。 次にタイムラインウィンドウの「コピー」ボタンをクリックするか、<alt> キーを押しながら C キーを押してください。 そして、タイムラインの現在フレームをコピー先の位置にセットします。 最後に、タイムラインウィンドウの「貼り付け」ボタンをクリックするか、<alt> キーを押しながら V キーを押すと、現在のフレームにキーフレームがコピーされます。

グラフモード (Pro版のみ)

タイムラインウィンドウの「グラフモード」ポップアップを設定することで、オブジェクトの動きをグラフ形式で表示することができます。 グラフモードではキーフレーム間のラインが直線ではなく、グラフとして表示されます。 下図にグラフモードの例を示します。

タイムラインのグラフモード

タイムラインのアニメーションチャンネルの値に応じたグラフ曲線が表示されます。 水平方向は時間軸(通常のモードと同じ)で、縦軸はチャンネルの値となります。 もし、すべてのチャンネルを表示すると、グラフは有用というより、ごちゃごちゃと見づらいものになります。 そこで、表示したい必要なチャンネルを制限する機能があります。 それは、チャンネルのアイコンをクリックすることで、ON・OFFすることができます。 クリックして ON にされたチャンネルのみが強調され、グラフとして表示されます。 上記の例では、レイヤーのスケールと、レイヤーのZ回転が ON にされています。

さらに乱雑さを整理するために、一つのチャンネルのみを編集対象としてアクティブにできます。 それには、チャンネルのアイコンをダブルクリックすることで編集対象を切り替えることができます。 こごては、レイヤーのZ回転が編集対象にセットされています。 編集対象になっているチャンネルのみキーフレームが表示され、このキーフレームは通常モードと同じように編集することができます。

制作するアニメーションによっては、チャンネルの値が大きすぎるか小さすぎるかして、グラフ曲線が確認しずらいことがあります。 その場合、次の手順によってグラフの縦軸方向のスケールを変更することができます(直観的ではありませんが、このスケールの値をグラフモード・ポップアップメニューのスケール欄に直接入力しても構いません)。 キーボードの Page Up/Page Down キーを押すことによって、グラフの縦軸スケールを増減することができます。 また、<shift> キーを押しながら、Page Up/Page Down キーを押すことで、グラフの中心軸の位置を上下することができます。 その後、<End> キーを押すことで、グラフのスケールを元のサイズにリセットすることができます。

グラフモードでも同様に、右ボタンのポップアップメニューでキーフレームを追加したり、キーフレームを削除したり、コピーしたりすることができます。 さらにキーフレームを垂直方向に移動させることで、チャンネルの値を変更することもできます。 キーフレームの移動方向を制限したい場合は、キー操作を併用します。<ctrl> キーを併用すると水平方向の移動のみに制限されます。<alt> キーを併用すると垂直方向の移動のみに制限されます。

いくつかのチャンネルをグラフ形式で表示すると、キーフレームに一つ以上の要素を持つ場合があります。 例えば、レイヤーの移動チャンネルでは、X,Y,Z方向にそれぞれ別の値を持ちます。 これらは同じ色で表示されますが、それぞれの値は別のグラフ曲線として表示されます。 それぞれの値は曲線の太さで区別されます。X値はもっとも細い線で、Y値はそれより太く、Z値はもっとも太い曲線で表されます。

アニメーションに「繰り返し」を使用した場合、「繰り返し」を設定したキーフレームの後ろには、キーフレームなしの繰り返される曲線が表示されます。 これは上記の例では、レイヤーのZ回転チャンネルに示されている通りです。

タイムラインをグラフモードで操作する方法については、詳しくは チュートリアル を参照してください。