このチュートリアルは以前の三つのチュートリアルに続くもので、AnimeStudioでのアニメーションの作り方を学ぶものです。 あなたが前回のチュートリアルを実施していて、そのプロジェクトを保存しているなら、そのまま使用できますが、"Tutorials/1 - Basics"フォルダにある、"Tutorial 1.4"ファイルを使用しても構いません。
AnimeStudioでオブジェクトをアニメートするには、基本的な三つの方法があります。レイヤーをアニメートする方法、ボーンをアニメートする方法、オブジェクトを構成するポイントを直接アニメートする方法です。この三つの方法を組み合わせることで、複雑なアニメーションを作成することができます。このチュートリアルでは、その三つの方法について解説します。
Layersウィンドウを確認して、すべてのレイヤーをステージ上に表示してください。前回のチュートリアルで、目玉アイコンをクリックしてレイヤーを非表示にしましたので、もう一度クリックして表示状態にします。
すべてのレイヤーをオン
メインウィンドウが以下のように見えるか確認してください。
この図形でチュートリアルを開始します。
レイヤーアニメーションはAnimeStudioでオブジェクトの動きをアニメートするための、最も単純な方法です。
その動きには制約があり、ガラスの上をオブジェクトが滑るような動きですが、ある種の作品では、これだけでアニメーションが完結することもあります。
レイヤーアニメーションを行うには、まずアニメートしたいレイヤーをクリックすることから始めます。次に時間軸をフレーム72にセットしてます。 Timelineウィンドウの"72"と書かれた数字の箇所をクリックします。そうすると、現在時刻を示す赤い縦線が移動することがわかります。(もし PC画面が小さくてフレーム72が画面外にある場合は、スクロールバーを利用してください)
フレーム72にセット
AnimeStudioには「フレームゼロ」という重要な概念があります。Timelineの左端に"0"と書かれた数字がありますが、現在時刻がフレームゼロにセットされているときは、AnimeStudioはクリエーションモードに入っていて、アニメートできません。図形を描いたり、ボーンを作成したりといったアートワーク作業をフレームゼロで行います。
Timelineが他のフレームあるとき、AnimeStudioはアニメーションモードに入っています。アニメーション作業中に、オブジェクトの修正がしたくなった場合は、巻き戻し(Rewind)ボタンで瞬時にフレームゼロに戻ることができます。 さて、今はアニメーション作業を行いたいので、フレーム72に戻りましょう。
ツールバーから Translate Layer ツールを選んでください。そして下図のように、"Clouds"レイヤーを左から右へとクリック&ドラッグします。
動く雲
フレーム72の箇所にマークが現れたことに気づきましたか? このマークはキーフレームが設定されて、レイヤーが別の位置座標を与えられたことを意味します。Timelineウィンドウには、いくつかのアニメーションチャネルが存在します。先ほど、レイヤーを移動しましたので、キーフレームはLayer Translationチャンネルに現れたのがわかります。
追加されたキーフレーム
それでは設定したアニメーションを再生して見てください。メインウィンドウ左下にPlayボタンがありますので、それをクリックすると再生が始まります。アニメーションは自動的に繰り返されるので、確認できたらStopボタンを押して停止してください。
再生コントロール
ボーンアニメーションはオブジェクトを構造的に動かすために使用します。前回のチュートリアルでManipulate Bonesツールを使用してボーンの変形を試しましたが、今回も同じツールを使用します。
Layersウインドウの"Skeleton"レイヤーをクリックして、ボーンレイヤーをアクティブにしてください。 Timelineウィンドウでフレーム12をクリックして、時間軸をフレーム12に設定してください。 続いて、 Manipulate Bones ツールを選択します。以下の図のようにFrankの足を移動してください。
Frankの足を動かす
前回のチュートリアルではManipulate Bonesツールをフレームゼロで作業していましたが、今回はフレーム12なので違った働きをします。フレームゼロではボーンの試験のため一時的に変形するだけでしたが、その以外のフレームではボーンの変形が永久に固定されます。
次に、Translate Bone ツールを選択して、Frankの背骨ボーンを下図のように引き下げてください。
Frankの全身を降ろす
次に時間軸をフレーム24にセットして、BoneメニューのReset All Bonesコマンドを選択してください。ここで一旦、アニメーションを再生して見ると良いでしょう。理解できたら停止させます。
アニメーションを再生して見て、どのように感じたでしょうか? Frankはフレーム24以降は静止したまま動かないことに気づいたことと思います。
さて、Timelineウィンドウのフレーム24に複数のキーフレームが設定されていることに注目してください。これらのキーはボーン移動とボーン回転のが設定されていることを意味します。マウスをドラッグして四角い選択領域で囲むことで、四つのキーフレームを選択することができます。
フレーム24のボーンキーフレームを選択
次に、選択されたキーの一つを右クリックしてください。ポップアップメニューが表示されますので"Cycle..."の項目を選択します。そのキーフレームに対して、フレーム0からフレーム24までを循環アニメーション設定することをAnimeStudioに指示します。
循環(Cycle)設定
OKボタンをクリックしてください。今までとの違いを比較するために、アニメーションを再生してみましょう。Frankが無限に同じ動きを繰り返すのがわかったと思います。
この機能は一般的に背景の要素(Frankのように前景要素にはあまり使用しません)に使用します。うまく使用すれば、アニメーション作業を劇的に軽減できます。(例えば、回転する風車や、風になびき続ける草木など) Timelineウィンドウには、ボーンチャネルに循環アニメーションが設定されていることが赤い矢印で明示されます。
タイムラインの循環インジケータ
ポイントアニメーションを使用することで、オブジェクトを構成する個々のポイントに変形アニメーションを加えることができます。理論的にはボーンアニメーションと同じことが可能ですが、多大な労力が強いられるのは間違いないでしょう。ボーンアニメーションでは補いきれない、ちょっとしたアニメーションを付け加えるのに使うのが一般的です。
まずはLayersウィンドウの"Clouds"レイヤーをクリックしてください。次に Translate Points ツールを選択します。おそらくポイントが全部選択状態になっていますので、Enterキーを押して選択を解除しておきます。アニメーションの最終フレームに移動するために、早送り(Jump To End)ボタンをクリックしてください。
雲にちょっとした動きを付け加えるために、個々のポイントを少しずつ移動して、変形アニメーションを付け加えてください。これによりフレーム1からフレーム72の間、雲はゆっくりと形を変えることになります。
ポイントアニメーション
どんな具合か再生して見てください。
以前のチュートリアルで"Frank"レイヤーを外部から読み込んだことを思い出してください。このとき、読み込むレイヤーにはアニメーションも付け加えておくことが可能です。
FileメニューからInsert Objectコマンドを選択し、"Tutorials/1 - Basics"フォルダの"Tutorial Extras"ファイルを指定してください。ダイアログから"Beach Ball"を選択してOKボタンをクリックします。
プロジェクトに跳ねるビーチボールが追加されました。実際、アニメーションを再生するとビーチボールが跳ねる様子を観察できます。但し、ビーチボールの位置が正しくないので調整しましょう。それにはまず、フレームゼロに設定するため巻き戻し(Rewind)ボタンをクリックしてください。
次に Translate Layer ツールを使用して、ビーチボールを適切な位置にドラッグしてください。もし、ビーチボールの大きさを変えたいなら、Scale Layer ツールが使用できます。(画面上に四角い領域が表示されますので、その四隅のいずれかをドラッグしてください)
さて、これまでのチュートリアルで、図形の描き方から、ボーンアニメーションのやり方まで、AnimeStudioの基本を学ぶことができました。AnimeStudioを使いこなすために、どんどんツールを使ってみてください。また、以降のチュートリアルには、もっと深い内容が記述されていますので、ぜひ読んで見てください。