このチュートリアルではキャラクターにボーンを仕込む方法を解説しますが、以前の二つのチュートリアルの結果をステージとしていますので、ますば、チュートリアル1.3で保存したプロジェクトを読み込んでください。 もし、保存していなくても、AnimeStudioの"Tutorials/1 - Basics"フォルダを探せば、完成したプロジェクトを見つけることができます。
ボーンとはアニメーションを簡単に作成するため、AnimeStudioで使用できる重要なツールの一つです。 今までのチュートリアルで作り方を学習した図形などがゴムのようなものだとしたら、ボーンはその内部に入れることのできる固いワイヤーのようだと言えます。ワイヤーが動けば表面のゴムはつられて変形します。 こうやって図形を簡単にアニメーションさせることができますが、同然のことながら最終的な出力画像ではボーンが表示されませんので安心してください。
アニメーションを作成するにおいてボーンは不可欠ではありませんが、キャラクターが動作する様子を見せるときに非常に有効です。以下のチュートリアルで、ボーンを適切に使用する方法、あるいは適切でない事例を学んでください。
まずは以前のチュートリアルで作成したプロジェクトを表示してください。
チュートリアルはこの画面から始めます。
AnimeStudioでは、創造物を再利用するための便利な機能として、別のプロジェクトからキャラクタを読み込むことができます。FileメニューからImport->AnimeStudio Objectコマンドを選択してください。 続いて、ファイル読み込みダイアログから、AnimeStudioの"Tutorials/1 - Basics"フォルダから、"Tutorial Extras"を選択してください。 すると、AnimeStudioは、どのキャラクターを使用するかたずねて来ます。
オブジェクトの選択ダイアログ
左上の項目から、"Frank"という名前を選択してください。右側のエリアでFrankのプレビューを確認できます。 OKボタンをクリックすると、新しいレイヤーが作成されます。これは"Tutorial Extras"にあった"Frank"レイヤーの完全なコピーなので、自由に編集できます。 一度、File->Renderメニューを選択して、どのような見栄えか確認すると良いでしょう。
Frankがプロジェクトに追加されます。
それでは彼をアニメートするためボーンを設定して行きましょう。まずは、LayersウィンドウのNew Layerボタン をクリックしてください。現れたホップアップメニューから"Bone"を選択すると、新しいボーンレイヤーが作成されます。判りやすくするために、レイヤーの名前を"Skeleton"に変更してください。(レイヤーをダブルクリックするとプロパティが表示されますので、そこに名前を入れると良いです)
それでは、"Frank"レイヤーを"Skeleton"レイヤーにドラッグ&ドロップしてください。
ドラッグ&ドロップするとき、ドロップ先が赤く光るのに注意してください。この手順は非常に重要です。
続いて、"Skeleton"レイヤーをクリックしてください。正しく設定できれば、以下のように見えるはずです。
Frankのボーンレイヤー
作業するとき邪魔ですので、背景の絵を一時的に消してしまいましょう。Layersウィンドウの目玉のようなボタンをクリックすると、メインウィンドウから見えなくすることができますので、"Skeleton"と"Frank"以外を消してしまいます。
パンやズームを使って、Frankをウィンドウの中央に表示されるように調整してください。
ズームしたFrank
Add Bone ツールを選択して、下図のように下から上へボーンをクリック&ドラッグして追加してください。
このようにボーンを作成
これはメイン制御ボーンとなります。これはFrankの背骨だと考えると良いでしょう。うまく追加できれば以下のように見えるはずです。
作成されたボーン
続いてクリック&ドラッグして、以下のように上から順番に三本のボーンを追加してください
左足のボーンを作成
ボーンが選択されているとき、赤色で表示されることに注意してください。あなたが新しいボーンを追加すると、それは現在選ばれてるボーンの「子供」になります。 ボーンは親子関係を持っていて、「子供」は「親」に影響することなく、自由に動かすことが出来ますが、「親」が動けば「子供」はそれに連動して動きます。
よって、先ほど三本のボーンを追加しましたが、追加の順序が重要であるとわかります。 足先は脛に接続し、脛は大たい骨に接続し、大たい骨は背骨に接続するといった具合です。(そしてボーンは彼の身体に接続しています)
ボーンが選択されているとき赤色で表示されますが、その「親」は青色で表示されます。しばしば誤ってボーンを逆に接続してしまうことがありますが、そのときは、青色で表示される「親」を探すと修正の助けになります。
さて、それでは別の足にボーンを追加しましょう。一方の足にボーンが適切に追加されるように、まずは背骨のボーンを選択する必要があります。 Select Bone ツールを使用して、背骨のボーンをクリックしてください。 続いて Add Bone ツールを使用して、三本のボーンを追加します。
右足のボーンを追加
ボーンが正しく追加されたか、すぐに確認するツールがありますので、それを試してみましょう。
Manipulate Bones ツールを選択して、あなたが作ったボーンのどれでも良いのでドラッグしてみてください。
Frankの足を動かして見る。
Frankのポーズがボーンに連動して変形することがわかります。 あなたは彼が「グチャグチャに」動いていると感じたかも知れません。それは彼の足を動かしただけなのに、頭も変形してしまうからです。次のステップではパーツごとの変形を、整理する方法を学びます。
この試験用ツールはボーンを一時的に変形するだけです。 Select Bone ツールを選択した瞬間に、全てのボーンは元に位置に戻ることを確認してください。
キャラクターにボーンを仕込むと、あらゆるボーンはキャラクターのあらゆる部分に、若干の影響を与えます。 先ほどの試験でFrankにその影響があることが認められました。足の一本を動かしただけなのに、頭が少し動いてしまうのです。とくにボーンに近い部分ほど影響が強く生じます。
足が動くときに頭に影響するのを調整しましょう。個々のボーンは、ボーンが支配するエリアを示す影響度(strength)という値を持っています。この影響度を調整する方法を学びましょう。
それでは Bone Strength ツールを選択してください。すると、ボーンの周囲に半透明のハイライトが表示されます。 これはボーンの影響する範囲を示したものです。 ( Manipulate Bones ツールを使ったときにも表示されていたことを思い出してください)
影響範囲の表示
ツールを選択したままで、個々のボーンを左右にドラッグして見てください。影響範囲が広がったり縮んだりすることがわかります。このツールを使って、足のパーツが影響範囲に納まるように調整してください。但し、背骨のボーンについては、大きくして無理に頭全体が収まるようにしないでください。今度は背骨ボーンの影響が足のほうに生じてしまいます。
調整された影響範囲
ボーンの影響範囲の調整が終わったら、正しく調整されたか Manipulate Bones ツールで確認してみると良いでしょう。
正しく調整できたなら、Frankは以下のように動かせるはずです。
ボーンを動かしてみよう。
色々なポーズを試してください。ボーンの操作方法に慣れる早道です。 次のチュートリアルでは、Frankを使ってアニメートする方法を学びますので、このプロジェクトは保存しておくと良いでしょう。